面接前に行われるリクルーター面談。
面談では、リクルーターからの質問に答えるだけでなく、逆質問の時間が用意されていることがほとんどです。企業によっては、ガクチカや志望理由よりも逆質問の時間が長いケースもあります。
リクルーター面談は、ただの面談ではなく選考の一環。
逆質問の内容次第で、リクルーターからの評価も大きく変わります。
純粋な疑問を投げかけるのではなく、選考であることを意識して事前に対策を打つ必要があります。
この記事では、年間1,000人以上の面接を担当した元人事の目線から、逆質問がなぜ重要なのか、逆質問の具体例についてまとめています。
良い逆質問とダメな逆質問のどちらも、理由もあわせて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
リクルーター面談で逆質問が重要な理由
リクルーター面談において、なぜ逆質問が重要なのか。理由は3つあります。
- 志望度をアピールできる
- 企業理解を深められる
- 自分にマッチした企業かどうか見極められる
リクルーターは、学生の志望度の高さを確かめるため、そして自社への理解を深めるために逆質問の時間を設けます。
そのため、企業への本気度をアピールできるような質問を用意しなければなりません。
どんなにガクチカや志望理由について上手く話せても、逆質問のレベルが低いと「本当にうちの会社に興味があるのかな…?」と、印象が下がってしまいます。また、志望理由に対する説得力も無くなってしまうでしょう。
また、企業へのアピールだけでなく、企業理解を深め、自分にマッチした企業かどうか見極められるのが逆質問です。
社員からリアルな情報が聞ける貴重な機会ですし、説明会や企業HPでは分からない詳細な情報も得られます。
したがって逆質問では、単純に知りたいことを聞くのではなく、志望度がアピールでき、企業理解をより深められるものを用意しましょう。
すげえ良い逆質問の具体例
次に、逆質問の具体例をいくつか紹介します。
良い例だけでなく、ダメな例についても、人事目線で解説していきます。
こちらの例を参考にして、面談当日までに必ず良い逆質問を用意しましょう。
リクルーターに良い印象を与え、企業理解も深められるのが良い逆質問です。
理由とともに具体例を挙げていきます。ぜひ参考にしてください。
入社理由
「なぜ御社に入社を決めたのか、入社理由を教えてください。」
「他に見ていた業界や企業はどんなところですか?」
「入社の一番の決め手は何ですか?」
これは必ず聞くようにしましょう。
自分以外の視点からその企業の良い点が知れるうえに、他社比較のヒントがもらえます。
さらに、そのリクルーターの答えが、今後面接で志望理由を聞かれた際の模範解答となるからです。
入社理由≒志望理由です。入社理由は、リクルーターが過去面接で志望理由を聞かれた際に答えていた内容とほぼ合致するはずです。
そのため、将来何をしたくて入社したのか、なぜ他社ではなくその企業を選んだのか、内容だけでなく答え方にも注目して今後の選考に活かしましょう。
仕事のやりがい
「仕事のやりがいを感じるのはどんなときですか?」
「仕事をしていて一番嬉しかったのはどんなときでしたか?」
自分と企業とのマッチングを図るための質問です。
社会貢献か、それとも自己成長か。その企業で働く人が何をモチベーションとしているのかが分かります。
もし、自分の働く目的やモチベーションが上がるときと感覚が近いようであれば、マッチングは高く、入社後もやりがいをもって働けるでしょう。
今後のキャリア
「これからどんな仕事に挑戦していきたいですか?」
「今後のキャリアプランを教えてください。」
キャリアパスについての企業理解を深めるための質問です。
どのようにキャリアアップしていくのかや、キャリア形成の支援制度については、企業HPには詳しく記載されていません。
10年後、20年後にはどのくらい裁量権をもって、どんな仕事に挑戦できるのか。具体的なイメージをもち、入社後のギャップを無くすためにもぜひ質問しましょう。
事業の方向性
「なぜ御社は◯◯事業を始めたのですか?」
「他社が△△を行っている中、御社があえて△△をしない理由があれば教えてください。」
事業内容についての理解を深められるだけでなく、志望度をアピールするのに非常に有効な質問です。
企業の最新情報も調べていることで、説明会や企業HP以外でも積極的に情報収集しているという本気度が伝えられます。
さらに、近年の他社動向と比較したうえで質問すると、業界や経済に関しても知見を広げていて勉強熱心な印象を与えられるでしょう。
御社がこれから変えていきたいところ
「御社の中でこれから変えていきたいと思うところはありますか?」
企業の弱点だけでなく、社風も分かる一石二鳥な質問です。
なぜこの質問で社風も知れるのかというと、その会社で働く人の向上心の高さが分かるからです。
ここで「特にない」と回答された場合は、会社をより良くしていこうと普段から考えていない可能性が高いでしょう。向上心がない社風の場合、日々の業務がルーティンになっており、今後の成長が期待できません。
本当に何の不満がない場合でも、これからさらに良い方向へ向かって変えていきたいことは何かしら出てくるはずです。
ストレートに「ダメなところを教えてください」と聞くよりも、失礼な印象も与えません。リクルーターの仕事に対するモチベーションを知るためにも、ぜひ質問してみましょう。
すげえダメな逆質問とその理由
自分本位な質問や、相手にとって失礼なことを聞いてしまうのがダメな逆質問です。
こちらも理由とともに具体例を紹介します。
印象を悪くしたり、無意識に相手の気分を害してしまわないように注意しましょう。
他社との違い
「A社(競合他社)との違いは何ですか?」
人事からすると、「自分で調べてないの?」と呆れてしまいます。
また、本来自分で行うべき他社比較を、リクルーターに任せてしまっているような印象を与えかねません。
ただし、自分で調べたうえで、「私は、御社とA社では◯◯なところが違うと思うのですが、△△様はどのように思われますか?」という聞き方であれば問題ないでしょう。
収入や残業について
「年収はどのくらいですか?」
「残業は月どのくらいありますか?」
正直一番気になるところかもしれませんが、リクルーター面談で聞くのはNGです。
時間が限られている中でこの質問をしてしまうと、仕事の内容ではなく待遇面で企業を選んでいる印象を与えてしまいます。
何度か面談してある程度の関係性が築けていたり、選考が進んでからであれば聞いても良いかもしれませんが、初対面で聞くのはやめておきましょう。
フィードバックを求める
「面談のフィードバックをお願いします。」
「今回の面談での私の印象を教えてください。」
企業とは関係ない質問かつ自分本位な質問をしてしまうのは論外です。
志望度が感じられず、練習で受けているような印象を与えてしまいます。
もし自分の改善点を知りたい場合は、「次回の面談や選考に向けて、何か気をつけるべきことや改善すべきところがあれば教えてください」と聞きましょう。言い回しを少し変えるだけで、反省点を知れるだけでなく、選考を突破したいという熱意も伝えられます。
企業HPにも載っていること
「求める人材はどのような人ですか?」
「他にどんな部署がありますか?」
貴重な面談の機会であるのに、調べれば分かることを聞いてしまうのは最も失礼に当たります。
特に、求める人材について質問する人は多いですが、ほとんどの企業がHPに記載しています。一見、志望度が伝わる良い質問に見えますが、事前にHPを見ていないことがバレてしまうので要注意です。
企業HPに目を通しても分からなかったことや、もっと知りたいと思ったことについて聞きましょう。
<h2>まとめ
リクルーター面談の逆質問では、志望度の高さが見られています。
また、企業理解を深め、自分とマッチした企業かどうか見極められる貴重な機会です。
ガクチカや志望理由だけでなく、逆質問もしっかり準備したうえでリクルーター面談に臨みましょう。