この記事では玉手箱の空欄推測を解くコツについてまとめてみます。
玉手箱の「空欄推測」は計数分野で出題される問題形式の一つで、図や表の空欄部分を周辺の情報から推測する問題です。
制限時間と問題数は、20問/20分のケースと35問/35分のケースの2種類あり、どちらとも1分あたり1問ペースで解く必要があります。
これは私の感想ですが、後半に進むにつれて問題の難易度が上がります。
なので、問題を全て解き切ることを前提とした場合は、最初の数問は1問/30秒~45秒ペース程度で解く必要があります。
私は両方のケースを受験したことがあるので、どちらのケースが出題されるかは企業次第だと思われます。
玉手箱の空欄推測は何割取れれば良いのか。空欄推測の合格ライン
合格ラインは企業や選考段階にもよりますが、私のオススメとしては7割程度を目標にすることです。
5割~6割台でも合格する場合はありますが、7割程度取れれば合格の可能性は高いと言えます。
ただ8割以上が合格ラインの企業もあるそうなので、初めは7割程度を目標に対策を進め、慣れてきたら8割に目標を上げる形が理想です。
玉手箱の空欄推測が難しい理由
玉手箱の空欄推測が難しい理由は、やはり制限時間の短さでしょう。慣れていても、1問/1分ペースで図や表を読み取り空欄の数値を推測することは難しいですし、まして慣れていなければほぼ不可能だと思います。
そして、数値の法則性が一様ではない点も、玉手箱の空欄推測が難しい理由の1つでしょう。次の「玉手箱の空欄推測の対策方法」で詳しく説明しますが、空欄推測問題の数値の法則性にはいくつか種類があるため、どの法則性が適用された問題かを、瞬時に判断する必要があります。
〇 玉手箱の空欄推測の対策方法
玉手箱の空欄推測の対策方法は、出題される問題に見られる数値の法則性をあらかじめ知っておくことです。
空欄推測問題には次の法則性が見られます。
- 【比例関係】数値に比例関係が見られる場合
- 【挟み込み】数値の大小関係から、挟み込まれた箇所の数値が推測できる場合
- 【計算】空欄以外の与えられた数値から空欄を計算で導き出せる場合
上記の法則性のいずれかが適用されている可能性が高いことを事前に理解しておき、あとはひたすら問題を解きましょう。なお、どの法則性に当てはまるか考える際は、上記の上から順に考えてみてください。考えやすい順に記載したつもりです(練習問題の解説で具体的な思考手順も解説しています。参考にしてください)。
本記事でも次に練習問題をいくつか掲載しているので、ぜひ空欄推測問題の対策に役立ててください。
実際に出題される問題
F社のライセンス料金はいくらと推測できるか。
- 160万円/年
- 240万円/年
- 360万円/年
- 450万円/年
- 540万円/年
Q2:
物件Fの価格はいくらと推測できるか。
- 3,150万円
- 3,200万円
- 3,250万円
- 3,300万円
- 3,550万円
Q3:
Fエリアのスタッフの賃金は1日いくらと推測できるか。
- 5,000円
- 7,000円
- 9,000円
- 11,000円
- 13,000円
<解説>
Q1の答えは「B」です。まずぱっと見で、ライセンス料金には同じ数値があるのに対し、従業員数には同じ数値がないので、数値に【比例関係】はないと判断できます。
そこで【挟み込み】を検討するために図の数値を並べ替えてみると、下の図のようになります。
この図を見ると、F社はB社とD社に挟み込まれていることが分かり、ライセンス料金は「240万円/年」だと分かります。ライセンス料金が「従業員数○○人以上○○円/年」と設定されているケースですね。
Q2の答えは「A」です。Q1と同様、ぱっと見で同じ数値がいくつか目に入ります。空欄推測問題で同じ数値があるとかなり怪しいです。セオリー通り【比例関係】から検討すると、B社とC社、D社とE社それぞれの階数と価格の比較から、「階数が1階上がると価格が50万円上がる」比例関係が成立していることが分かります(B社→C社で6階上がると300万円、D社→E社で3階上がると150万円上がっている)。したがって、E社とF社の階数の違いは6階なので、価格は50万円×6階で300万円上がることになります。E社の2,850万円に300万円足した「3,150万円」がF社の価格になりますね。
Q3の答えは「E」です。まず各項目の数値を比較してみても、【比例関係】はなさそうです。そしてFエリアの予想来場者数・スタッフ数はともに全エリアで最大の数値なので、【挟み込み】でも導けません。この場合、与えられた数値から【計算】して推測することになります。
まずAエリアを見てみると、スタッフ1人当たり10人の客が来場することが分かります。そこで、Aエリアと同じ賃金が支払われるEエリアを見てみると、同じくスタッフ1人当たり10人の客が来場する予定です。つまり、「スタッフ1人当たり10人の客が来場=スタッフの賃金は7,000円」だと推測できます。ここまで計算できれば、あとは他のエリアを検討するだけです。C・Dエリアから「スタッフ1人当たり15人の客が来場=スタッフの賃金は12,000円」、Bエリアから「スタッフ1人当たり20人の客が来場=スタッフの賃金は14,000円」であることがそれぞれ計算できるので、「スタッフ1人当たり18人の客が来場予定」のFエリアの賃金は「12,000円~14,000円の間」であると推測できます。よって、賃金は「13,000円」だと分かります。
(「スタッフ1人当たり10人の客が来場=スタッフの賃金は7,000円」であることが分かった時点で、7000円×1.8=12,600円と計算し、近似値の13,000円を選択しても正解となります。)
〇 玉手箱の空欄推測を解くコツ
玉手箱の空欄推測問題を解くコツは、対策方法でも記載しましたが
- 【比例関係】数値に比例関係が見られる場合
- 【挟み込み】数値の大小関係から、挟み込まれた箇所の数値が推測できる場合
- 【計算】空欄以外の与えられた数値から空欄を計算で導き出せる場合
の法則性で考えることです。
練習問題の解説で説明したように、上記の上から順に考えていけば解ける問題が多いです。
また、制限時間が非常にタイトであるため、少し考えてもさっぱり分からない問題は飛ばしましょう。1問に数分時間を費やすより、飛ばして他の問題に正解する方がよっぽどマシです。思い切って間違えることも戦略の1つです。