この記事ではNEC(日本電気株式会社)の24卒選考を経験した筆者がNECの選考について詳しくご紹介させていただきます。
NECといえばパソコンを思い浮かべる方も多いと思います。パソコンの他にもNECは官公庁向けの情報通信サービスなどを提供しています。
創業120年を超える大企業で、IT業界・Sler業界・電機メーカーを志望している学生から高い人気を誇っています。選考を突破するには入念な対策が必要です。
NECは24卒選考より職種別採用を行っており、筆者は総合職のうちスタッフ職コースの選考を受けました。そのため、スタッフ職コースの選考に重きを置いて説明していきます。
スタッフ職コースの選考は他のコースの選考と共通している部分があります。スタッフ職コース以外でNECを受けることを検討している方にも参考になる情報が盛り沢山ですよ。
NECの就職難易度
NECの採用人数は毎年500〜600名程度です。NECの公式HP1には24卒選考では600名を採用する予定と書かれています。
採用倍率は公開されていませんが、2023年2月時点のリクナビのプレエントリー候補リスト登録人数は7263名でした2。そのため、採用倍率は約12倍であることが予想されます。
採用人数が多いので、大手人気企業の中ではそれほど倍率は高くないのではないでしょうか。しかし、確実に内定を勝ち取るためにもしっかりと選考対策をしておきましょう。
引用1:https://jpn.nec.com/recruit/newgraduate/recruitinfo.html#anc-info
引用2: https://job.rikunabi.com/2024/company/r427500001/employ/
NECの選考フロー(スタッフ職コース)
NECは24卒選考から職種別採用を行っています。
募集している職種は技術職・営業職・スタッフ職・法務職・経理職・人事総務職・知的財産職(渉外系)・知的財産職(技術系)の8コースです。
このうち営業職・スタッフ職コースは「部門フリー採用」で、その他のコースは「部門×職種別採用」になります。
部門フリー採用とは営業またはスタッフとして内定をもらい、その中でどの部門になるのかは入社後に決定するというものです。
これに対して部門×職種別採用は内定時に職種と部門が確約されます。
筆者が受けたのは部門フリー採用のスタッフ職コースです。そのため、入社後に法務・経理・人事総務・知的財産といったコーポレート系の仕事の中から初期配属が決まります。
それでは選考フローについて解説していきます。
NECの24卒選考は以下の通りで行われました。
- エントリーシート提出・SPI(テストセンター)受験
- 一次面談
- 事前課題提出・適性検査受験
- マッチング面談(最終面接)
多くの大手人気企業は面接が最低3回ありますが、NECの場合は2回のみです。コスパ良く内定に近づけるのが魅力的です。
ただし一次面談通過の後に提出を求められる事前課題はしっかりと取り組むことをおすすめします。
エントリーシート・SPI(推定倍率1.5倍)
最初の選考はエントリーシートの提出とテストセンターでのSPI受験です。エントリーシートの提出完了後にテストセンターでのSPI受験についての案内が来ました。
エントリーシートの設問は以下の通りです。
- 最終学歴の研究内容(200文字以下)
- これまでの経験で最も挑戦したと思えること(400文字以下)
- 今回選んだ職種に応募した理由とその職種を通じて入社後に実現したいこと、期待すること(400文字以下)
- 自由コメント(100文字以下)
筆者は文系なので、研究内容には所属しているゼミでの活動について書きました。一次面談でもマッチング面談でも研究内容を深掘りされることはありませんでした。語れるほどのゼミ活動がないという文系学生のみなさん、安心してください。
「これまでの経験で最も挑戦したと思えること」では、「周囲を巻き込んだ・チームで取り組んだことがあれば優先してお聞かせください。」という注意書きがありました。チームワークを発揮して働ける人を求めていることがわかります。
チームワークはよくメーカーで求められると思います。メーカーは1つの物をお客様に届けるまでに多くの人が携わるためです。NECは電機メーカーの側面を持っているため、多くのメーカーで求められるチームワークを求められると言えます。
筆者は「これまでの経験で最も挑戦したと思えること」に対して、他社のエントリーシートで書いているいわゆるガクチカと同じ内容で問題ないと判断し、所属しているサークルでのことを書きました。
そして職種の志望理由とやりたいことについては自身の経験を元にして書きました。社員を支える立場であるスタッフ職コース志望の場合は、なぜ最前線で働くのではなく、働く社員を支えたいのかを明確化させる必要があると思います。
最後に自由コメントですが、筆者は支える仕事が向いているアピールになれば良いと考え、自身の長所について書きました。ただし100文字以下での記入でしたし、「特記事項があればご記入ください。」という注意書きがあったので、必ず記入する必要はないかもしれません。
テストセンターでのSPIの受験科目は言語・非言語でした。事前に性格検査を受けておく必要もあります。
参考書を使って言語・非言語の問題を対策し、テストセンターでのSPI受験に慣れておけば、NECのSPI受験も問題ないと思います。
一次面談(推定倍率3倍)
エントリーシートの記載内容とSPIの受験結果で書類選考が行われます。書類選考に通過すると一次面談に進みます。
一次面談はオンラインで約30分間行われます。面接官2人に対して学生1人で、終始穏やかな雰囲気でした。
自己紹介ののち、エントリーシートに沿った内容が聞かれました。大体以下の通りです。
- 自己紹介
- 学生時代に力を入れたこと
- 会社志望動機
- 他社の選考状況
- 職種志望動機
- 逆質問
1番時間をかけて質問されたのが「学生時代に力を入れたこと」です。様々な角度から深掘られます。全ての質問にしっかりと答えるために出来事を細かく説明できるようになっておきましょう。
さらに「学生時代に力を入れたこと」から学んだことも聞かれます。筆者の場合、諦めずにやり続ければ何かしら得られるものがあることがわかったと答えました。すると諦めずにやり続けた結果成果が出た他の経験についても聞かれました。いくつかエピソードを用意しておく必要があります。
一次面談では会社志望動機の深掘りはされませんでした。ただし筆者が他に受けている企業との共通項を自分なりに話せていたからという可能性があるので、幅広い業界を受ける場合は会社志望動機に関する質問の対策もしていた方が良いかもしれません。
職種志望理由についての深掘りもあまりされませんでした。そのため、スタッフ職コースの場合は複数の部門がありますが、一次面談時点では希望部門を絞れていなくても問題ないと思います。
事前課題提出・適性検査受験
一次面談に合格すると、マッチング面談の日程が決まり、事前課題の提出と適性検査の受験が求められます。事前課題の提出と適性検査の受験はマッチング面談の前に終わらせる必要があります。
事前課題はPowerPointを用いてマッチング面談の冒頭で行うプレゼンテーションの資料を作るというものでした。
いわゆるモチベーショングラフにあたる「ライフラインチャート」を作成し、NECの行動基準である「Code of Values」を体現したエピソードを記載する必要がありました。
「ライフラインチャート」はPowerPointのグラフの挿入から行ったので、PowerPointでのグラフ作成に慣れていない方は少し時間がかかる作業かもしれません。しかし、インターネットにはわかりやすい作成方法がたくさん載っているので、調べた通りに作成すればそれほど難しくないと思います。
「Code of Values」は以下の通りになります。
①視線は外向き、未来を見通すように
②思考はシンプル、戦略を示せるように
③心は情熱的、自らやり遂げるように
④行動はスピード、チャンスを逃さぬように
⑤組織はオープン、全員が成長できるように
このうち「心は情熱的、自らやり遂げるように」「思考はシンプル、戦略を示せるように」「組織はオープン、全員が成長できるように」を体現していると思われる自身のエピソードをプレセンテーション資料内に記載します。1つずつに当てはまるエピソードを3つ用意するのでも、3つに当てはまる1つのエピソードを用意するのでも問題ありませんでした。
筆者は「心は情熱的、自らやり遂げるように」に当てはまると考えた課外活動でのエピソードを1つ、思考はシンプル、戦略を示せるように」「組織はオープン、全員が成長できるように」に当てはまると考えたサークル活動でのエピソードを1つ、合計2つのエピソードを用意しました。
マッチング面談(推定倍率5倍)
実質の最終面接にあたるマッチング面談はオンラインで約40分間行われます。一次面談と同様、面接官2人に対して学生1人で、終始穏やかな雰囲気でした。
マッチング面談の流れは主に以下の通りです。
①自己紹介
②プレゼンテーション
③プレゼンテーションに基づく質問
④会社志望動機
⑤他社の選考状況
⑥職種志望動機
⑦逆質問
プレゼンテーションは事前に提出している課題に基づいて約5分間行います。ぶっつけ本番は怖いので、ある程度練習してから望んだ方が良いと思います。
プレゼンテーションが終わるとプレゼンテーションで気になったことを質問されます。ライフラインチャートを見て、プレゼンテーションでは触れていなかったことについての質問もされました。そのため、自分の人生のどの部分を切り取っても説明できるようにしておく必要があります。
会社志望動機を聞かれて話した後、志望度を確認する質問もありました。NECで働きたいという強い思いを示せるかどうかが内定をもらえるかどうかの鍵かもしれません。
逆質問の後に時間があり、追加で質問されました。希望している部門以外でやってみたいことや携わってみたい事業について聞かれました。これらの質問はあまり上手く答えられなかったと反省していたのですが、マッチング面談の評価には特に響いていなかったようです。
NEC選考まとめ
パソコンで有名で、官公庁向け情報通信サービスなども提供しているNECの選考フローをご紹介しました。
NECは採用人数が多く、面接も2回なので、コスパ良く内定に近づくことができます。IT業界・Sler業界・電機メーカーを少しでも見ている就活生のみなさんには受けてみることをおすすめします。
この記事を参考にして選考を突破し、内定を勝ち取れることを願っています。