
組織の三菱、人の三井なんて言われるが、最初に言っておくと三菱商事だって人材はいる。むしろ三井物産と同じかそれ以上に社員は優秀だということを述べておきたい。実際総合商社がどこも同じようになっているのは事実で、それ自体が停滞を招いている原因でもあるのが、この記事ではあらためて三菱商事の強みを分析していきたい。
この記事を読んでいる人がぜひとも三菱商事の魅力を再確認し、内定を取ってくれれば幸いである。
一番軍隊的な組織
何故、三菱商事が組織の三菱と言われるのか。それは、かなり軍隊的な組織だから。これは長くいればいるほど分かってくる。もちろん現場の意見も大切にしてはくれるが、トップダウンの向きは大きい。従業員6000人以上、連結で7万近く社員がいるので、それをコントロールしようと思ったら、トップダウンになるのは仕方がないかもしれない。
また、三菱グループ全般に言えることだが、保守系の色合いが強い。紳士的で良心的な人が多いのだが、その分革新的なことには躊躇するカルチャー。だから伊藤忠に遅れを取ったと言われればそれまでだが、現状維持だけで儲かるぐらいに収益基盤は頑丈だった。今まではね。
派閥も強い。例えば、「10階の慶應出身者だけで飲もう」なんて言って、慶應の年長者が音頭を取って飲み会をやったりすることもしばしば。そ若手からベテランまで当然顔を出す。こうやって引き立てられていくこともかなりあるので、三菱商事に学閥や派閥がないというのは間違った話だ。
早慶、国公立以外の出身の社員は肩身の狭い思いをすることもあるが、他の大手企業に比べれば学閥が強いわけではないので、気にする必要はない。
つまり、官僚的なんだよ、三菱商事はね。
逆に言うと組織的なプレーができる
こんなことを言うと、組織の三菱は悪いイメージができてしまうかもしれない。しかし、ビジネスはチームプレイだ。様々な人間と仕事が複雑に絡み合ってこそ大きな仕事を成し遂げることができる。部署や人間が連携しないと空回りするだけだ。戦略的に、かつチームワークよく仕事を進められる点は三菱商事の最大の武器になり得る。
一言メモよって、三菱商事では「チームワーク」を意識したES,面接を意識することが大事。一人で状況を打開しました!よりかは、チームとして先頭に立って成果を出した経験の方がウケは良い。
日本風な古い伝統が残っているのが三菱商事。その分、安定的にビジネスや日々の業務を回していくことが可能。残業時間は多いが、ガツガツと俺が俺が、という人には向いていないのが三菱商事だ。
海外に強みがあるんだよ
総合商社の魅力といえば、海外勤務できる可能性があるかどうか。
その点、三菱商事は一番海外に派遣される可能性が高い。というのも、三菱商事の現在の海外駐在の社員数は約1200人。これは全社員が6000人を考えると、20%の社員が海外で働いていることになる。また、三菱商事は現地社員の採用にも積極的で、1000人近く雇用している。中国に積極的に人員を送り込んでいる伊藤忠で500人なので、その倍だ。
参考もともとエネルギーに強みがあり、海外でのエネルギー関連事業数も一番なので、結果的に駐在員、現地社員の人数が多くなっている。それらが緊密に連携して、今までの三菱商事を支えていたことになる。
ご存知のように資源価格の暴落によって三菱商事は2016年に初の赤字に転落した。今後、幾つかの事業で撤退することは予想されるが、三菱商事は進んで海外に出て行く企業なので、今後も海外で働けるチャンスは総合商社の中でも一番だと思っている。
非資源も強い
総合商社はエネルギー依存からの脱却が急務になっている。とはいえ、新しいビジネスの中核を見つけるのは大変に難しい。総合商社のリソースをもってしてもだ。多くの企業が食糧に勝機を見出して、一気に勝負に出たが、今現在その結果は散々になっている。特に丸紅と三井物産はかなりの痛手を負った。
しかし三菱商事はどうだろう。三菱商事はもちろんエネルギー分野で莫大な利益をあげていたが、非資源部門でも柱をもっている。それは生活産業部門だ。
生活部門で強み
参考三菱商事でどの部門で働きたいか?と問われた時に、生活産業部門と答えた人間は賢い。
生活産業部門が何かと言うと、ようは普通の僕たちが生活していくで必要な生活必需品のことを指す。つまり、食品や薬、服などだ。
ローソン、ライフ、カンロ (ピュレグミは一度は食べたことあるでしょ?)ケンタッキー
などは、全部三菱商事の出資を受けている。最近だとPontaカードなんかもそうだ。ここら辺の事業に早くから取り掛かって結果を出しているので、生活産業でも大きく成功しているのですよ。他にも三菱商事は魚介類が強かったりする。詳しいことは、商社の業界研究によくまとまっているので見てみてほしい。
今後、三菱商事はこの生活産業に積極的に投資をしていくことが予想されている。ここが間違いなく生きる道。なので、ESや面接の場で「エネルギーやりたいです」っていうよりかは「生活産業やりたいです」って言った方が「あ、こいつ業界のこと分かってるね」となりやすい。
まとめ
最近の三菱商事の強みをまとめてみました。総合商社はどこも似たり寄ったりなので、三菱商事だけの強みを探すのは意外に難しいが、目を凝らしていると見つかることもある。よく業界のことを研究して、三菱商事の立ち位置を理解してくれればと思う。
個人的に三菱商事はこの生活産業を軸にして再び王者に帰り咲くのではないかと思っている。
どちらにしても数年はかかるだろうが、長い期間腰を据えて大きな事業に取り組めるのも商社ならではの魅力だろう。