体育会系が就活で有利かどうかというのは極めて重要な問題だよね。もし有利ならば体育会系に属していた人間は4年間の努力をアピールすることができるし、途中で辞めた人も「あれ、体育会有利なら、この経験活かせる?」となって、ESやエントリーの段階で体育会の経験を書くだろう。
実際のところ、体育会系であることは自分を語る上での一つの手段にすぎないし、場合によっては体育会アピールが破滅的な人生を歩んでしまう引き金にもなる。ものは使いようだ。
どんな企業、職種で体育会アピールは有効なのか、体育会絵系の何が評価されるのかなどをまとめていこうと思う。
体育会の何が評価されるのか?
体育会系の何が評価されるのかを知っておかないと、とんちんかんなアピールの仕方になる。君が遠めからのミドルシュートを決めることができたり、100mを十秒台で走れたり、ラインぎりぎりのバックハンドを決める能力を人事が評価するわけではない。
大まかに分けて4つある。
体力があるとみなされる
仕事は体力と精神力が必要だ。これは別に残業をたくさんするような会社でなくともだ。1日8時間働くだけでもかなり疲れるもので、外回りで歩いたり、残業があったりとすると体力はいくらあっても足りないのだ。
その点、大学4年間勉強していた人間は体力が弱まっているのは確かで、大学の部活で毎日練習していたような学生の方が体力的には圧倒的に勝る。
仕事の能力の前に、体力があって元気がある、つまりしっかりと動けるかどうかを判別する上で体育系であるかどうかの差は大きいのだ。
精神的にタフだとみなされる
運動は自分を追い込むものだ。強豪校の練習になればなるほどきつくなって、ストレスも出てくる。それに耐え得るだけの根性とストレス耐性があると証明することができるのだ。しかもこの場合は入学してから引退するまでずっと部活に所属していた方がアピールにはなる。
ご存知、今の世の中は3年以内に30%の学生が会社を辞めてしまう。
会社によっては1年で同期の大半が辞めてしまうなんて会社もある。人事からすると「こいつは3年以上頑張れるか?」という目線で就活生を見るのだ。
仕事と部活動を一緒にすることはできないが、少なくとも大学生活通して厳しい練習に耐えてやり続けた、という実績は会社からすると大変にありがたいわけだ。
「こいつは仕事が続くな」
と思うわけだね。
チーム精神がある
個人種目もあるかもしれないが、体育会系ということは組織に所属して団体行動をしていくことになる。団体競技になれば尚更、規律とかが重要になってくる。
会社は基本的にチームでやるものだ。一人だけで仕事をすることはできない。場合によっては何十人、何百人という人間たちと一緒に一つの仕事を遂行していく。
この場合、体育系に属していると団体行動に慣れているので、チームとして動けると見なされる。また、チームメイトたちともよく話して連携する必要があるので、コミュニケーション能力もあるとみなされるのだ。
わかりやすい実績
ESや面接では学生時代に「自分が何をやったのか」をいう必要があるがその時に
「わかりやすい実績」
がある必要がある。文系だと、この実績が曖昧になりやすい。しかし部活動の場合は明確に結果が出る。数値も出る。
「全国優勝しました」 「100人のクラブのリーダーでした」 「フルマラソン何時間で走れます」「ベンチからレギュラーになりました」
みたいになると途端に輝かしい実績のように思えてくる。
この分かりやすい実績は面接官の脳裏に残りやすいのだ。
強力な先輩がいる
部活動の先輩はサークルなどと違って強い絆で結ばれる。強かったり伝統のある部活になればなるほど、先輩が就職で面倒を見てくれる場合は多い。
特に体育会系が入りやすい企業になれば、先輩の数も多い。会社の人事からも「後輩でいい子がいたら人事」にとのお達しがきて、リクルーターがつく場合もある。
企業推薦がある
大学と企業に強力なコネクションがあると、選考をすっ飛ばして内定がもらえるパターンもある。この場合は全国で活躍しているレベルの体育会系部活である必要がある。
強豪校になると就活中にシーズン中だったりする場合も多く、なかなか時間を取ることができない。しかし4年間厳しい練習をしてきた学生は企業側としても評価が高いので採用したい。そのために、特別枠という形で選考をしてあげたりするのだ。
体育系が評価される職種と業界
体育会系が人気な職種は営業だ。
体育会系の社員はほとんど営業に回される。頭を使う職業は一般の文化系学生、動いて足で稼ぐ系は体育会になる。
主に人気な業界は、
- 証券・銀行
- 不動産
- 広告・テレビ
- ちょっぴり総合商社
証券と不動産はノルマが多い営業だ。結果が出なければガンガンに詰められて罵声される。離職率も大変高く、1年続く人間の方が珍しいし、「すごい!」と賞賛される世界だ。精神力がタフな体育会系が重宝される。
広告やテレビ業界はノルマというよりも単純に「業務量が多い」ことで残業の多さがずば抜けている。なので、体育会系の体力が必要なのだ。
体育系を売りにして会社に入ると不運が待っている
例えば証券会社に超強豪ラグビー部のキャプテンが入ったのだが、一年待たずしてうつ病になって辞めたという話をその上司から聞いたことがある。
強豪校のラグビーの練習は少し比類がないレベルの大変さで、そこでキャプテンをやっていたような男が一年で辞めてしまう世界が君には理解できるか? 体育会で鍛えあげた男たちがどんどんリタイアしていくのが逆にいうと、上記に挙げた業界なのだ。
また、飲み会も激しく上下関係も厳しいという場合がほとんど。上司のために奴隷のように働かされる。体育会ということをアピールするのはそういうことだ。
なので、体育会系を推して金融、広告、不動産などに入るのは用心が必要なのだ。